『素問』異法方宜論篇 第十二 【砭石:刺絡、カッサ】

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本篇では、同病異治の道理について述べている。

⇒各地で別個にそれぞれ環境に適応した医術が発達したがために同じ病でも治療法が異なると述べられている。


これは中国の各地域を指しており、東方は砭石、西方は湯液(漢方薬)、北方は灸、南方は鍼、中央は導引按蹻。

東方は日が昇る所であり、気候は温和である。

海に面して魚や塩の産地であることから住民は魚や塩を好んで食べ、潮風が吹き付ける海岸の低地帯に安住している。

魚は人体に熱気を生じる傾向があり、その上、塩を摂りすぎると、血が消耗損傷して流れが悪くなる。

結局、塩分の摂取過剰で顔色は黒く、皮膚のきめも粗いので、ここの人々には廱瘍のようなおできが多い、砭石にて治療が適切で、東方の国で発達し、そこから伝えられたものであります。


※砭石とは石鍼、牛角を用いてのツボに対して、こすったり、叩いたり、切開したりする治療を指します。

現在では、瘀血などの血に対する治療が主である刺絡やカッサ療法として残っています。

※ちなみにヨーロッパにおいて医の起源(西洋医学の起源)であるヒポクラテスの古代ギリシャの時代から瀉血といって患部から血を出す療法が存在しました。

ギリシャは中国の東方と同じく温和な気候で食生活の中心は魚でたまに獣肉を食べるという食文化で、古代ギリシャでは四体液説といい、体液を分類分けし、過不足によって病気になると考えられていたため、治療は体液を排出することが主である瀉血などを中心とした治療が行われていたようです。

地域は違いますが、気候や食生活が似ている場所で似た治療がなされていることはとても興味深いですね^^

次回は湯液について!



参考文献

・石田秀実「現代語訳黄帝内径素問 上巻」東洋学術出版社.1991

・小曽戸丈夫、浜田善利「意釈黄帝内径素問」築地書館株式会社.1971

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