柴胡加竜骨牡蛎湯

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出典:

『傷寒論』張仲景

※張仲景:中国・後漢時代に医師

条文:

「傷寒八九日,下之,胸満煩驚,小便不利,譫語,一身尽重 ,不可転側者,柴胡加竜骨牡蠣湯主之。」

邪気がまだ裏に入る前に下法を使用すると邪気を内に引き込み、三陽がともに影響を受ける。

邪気は少陽を中心に停滞するため、胸脇苦満や煩驚が見られ、太陽への影響があると小便不利、陽明への影響があると譫語を呈する。

太陽は開かず、陽明は合せず、少陽の流通も滞るので、患者は「一身尽く重く、転側すべからざる」となる。

病位は少陽であるため、少陽を中心に治療し、瀉熱鎮静の作用をもった柴胡加竜骨牡蛎湯が適す。

適した患者:

・身体が重いといった症状は三陽の熱邪が改善することで緩解するため、排尿、排便によって改善する場合

・譫語が排便によって改善する場合

・胸脇苦満や煩驚が運動やストレス発散などで改善する場合

適さない患者:

・排便、排尿、運動、ストレス発散によって改善しないもの

・尿色が透明に近い色であったり、水様便など寒証を示すもの

・冬など気温の低いときに症状が増悪する

参考文献

・中医傷寒論解説 劉渡舟 訳 勝田正泰/川島繫男/菅沼伸/兵頭明  東洋学術出版社

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